仮眠は何分がいい?
研究の「10分」「20分」は、眠ってから数えた時間です
- 昼の仮眠は、眠っている時間で10〜20分がひとつの目安です。
- 30分を超えると、起きたあとにぼんやりする「睡眠慣性」が出やすくなります。
- 研究が数えているのは眠ってからの時間です。横になった瞬間にタイマーを押すと、寝つくまでの時間の分だけ仮眠が短くなります。
研究の「10分」「20分」は、どこから数えているか
仮眠の長さでよく引用されるのが、オーストラリアのフリンダース大学による2006年の研究です。前夜の睡眠を約5時間に減らした健康な若い成人24人に、午後3時から5分・10分・20分・30分の仮眠をとってもらい、仮眠なしの日と比べました。
このときの仮眠の長さは、脳波で眠りに入ったと判定されてから数えています。結果は次のとおりです。
- 5分:仮眠なしとほとんど変わらない
- 10分:起きた直後から眠気・疲労感・作業成績が改善し、効果は約155分続いた
- 20分:改善は出たが、はっきり現れるまで起床後35分ほどかかった
- 30分:起きた直後に睡眠慣性が出て、いったん頭がぼんやりした
「仮眠は10分がいちばん効率がいい」と言われる根拠はこの研究ですが、それは眠っている時間が10分という意味です。
NASAの有名な研究も同じです。長距離便のパイロットに操縦席で40分の休息時間を与えたところ、実際に眠れたのは平均26分でした。仮眠をとった群は、とらなかった群より作業成績が34%、覚醒度が最大54%高かったと報告されています。よく聞く「26分」は、40分の枠の中で実際に眠れた長さです。
寝つくまでの時間は、仮眠から引かれる
健康な成人が日中に横になってから眠りに入るまでの時間は、110の研究・のべ4,058人をまとめた2023年の分析で平均約12分でした。
つまり、ふつうのタイマーを横になったときに20分でセットすると、眠れるのは8分ほどです。しかも寝つきは日によって変わります。寝不足の日は3分で落ちるかもしれませんし、コーヒーのあとなら15分以上かかるかもしれません。同じ「20分」でも、実際の睡眠は毎回ちがいます。
長すぎる仮眠に気をつける理由
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、長い昼寝は夜の睡眠を妨げるとして、日中の長時間の昼寝を避けるよう勧めています。高齢世代については、30分以上の昼寝を習慣にしている人は昼寝習慣がない人に比べて将来の死亡リスクが1.27倍だったという報告を紹介し、目覚ましをかけるなどの工夫を挙げています。
夜勤中の仮眠についても、20〜50分の仮眠で眠気や仕事の効率が改善した一方、60分と長めに設定した研究ではかえって効率が下がったと紹介しています。眠りが深くなり、起きたあとの睡眠慣性が強く出るためと考えられています。
実践のコツ
- 眠っている時間で10〜20分を狙う。すぐ動きたいなら10分、少し余裕があるなら20分。
- 寝つくまでの時間を見込む。ふつうのタイマーなら、眠りたい時間に寝つくまでの分を足します。ただ、その分は毎回ちがいます。
- 30分以上の仮眠は習慣にしない。夜の睡眠への影響を避けるなら、夕方以降の長い仮眠も控えめに。
- 必ずアラームをかける。「少しだけ」のつもりが1時間になるのを防ぎます。
寝ついてから数えるタイマー
NapSenseは、この「寝つくまでの時間」の問題のためにつくった仮眠タイマーです。スマホを手に持つか横に置いておくと、スマホが動かなくなったところからカウントを始めます。20分にセットすれば、寝ついてから20分でアラームが鳴ります。
ことわっておくと、NapSenseが見ているのはスマホの静止で、脳波ではありません。眠ったと判断する基準は研究室の測定とはちがいますが、押した瞬間から数える代わりに、寝つくのを待ってから数えます。アカウント登録は不要で、データは端末の外に出ません。
App StoreでNapSenseを見る(無料)参考文献
- Brooks A, Lack L. A brief afternoon nap following nocturnal sleep restriction: which nap duration is most recuperative? Sleep. 2006;29(6):831–840.
- Rosekind MR, et al. Alertness management: strategic naps in operational settings. Journal of Sleep Research. 1995;4(S2):62–66.
- Iskander A, Jairam T, Wang C, et al. Normal multiple sleep latency test values in adults: a systematic review and meta-analysis. Sleep Medicine. 2023. PubMed
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月) PDF
この記事は一般的な情報で、医療上の助言ではありません。日中の強い眠気が続く場合は医療機関にご相談ください。